『1手詰将棋』レビュー。実戦で役立つ1手詰が満載。上級者でも取り組む価値のある一冊

1手詰

高橋道雄九段の手掛けた詰将棋本『1手詰将棋』を紹介します。

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1手詰だからと侮るなかれ! 上級者でも解く価値のある問題がたくさん詰まった一冊です。

駒が多く、複雑な問題がたくさん。盤面をよく見て考えよう

『1手詰将棋』に載っているのは、全体的に王さまを守っている駒の数が多く、しっかりと考えなければ解けない問題ばかりです。例えば以下のような問題。

『1手詰将棋』第3問より引用

持ち駒の金を打つ一手ですが、即座にどこに打てばいいかを判断するのは、初心者の方だとなかなか難しいのではないでしょうか(正解は▲3二金)。

後半になるにつれて、さらに攻め駒と守り駒が入り乱れて、複雑な問題が増えていきます。1手詰の基本を身に着けた人が、もう少し難しい問題に取り組んでみるには最適な一冊です。

時間切れ負けに泣いている上級者の方にもおすすめ!

将棋ウォーズなどで2級〜初段くらいで指している方の中には、「あと一歩で詰みだったのに時間切れで負けた!」という悔しい思いをしている人も多いのではないでしょうか(わたしもその1人です)。

特に、残り時間が10秒しかないようなギリギリの状況で相手玉を詰ますには、実戦型での詰将棋をたくさん解いて、瞬発力を鍛えておくのが効果的です。

『1手詰将棋』の問題は実戦でも出てくる形に近いので、詰み形をインプットするのにとてもおすすめ。初心者のみならず、ネット将棋で勝てずに苦しんでいる上級者の方も読む価値のある一冊です。

将棋のルールや詰将棋の解き方の解説はないので注意しよう

最近の1手詰めの本はまったくの初心者を意識しているのか、将棋の駒の動かし方や、詰将棋の解き方から丁寧に解説している本が多いです。

その点『1手詰将棋』は、2014年初版のやや古い本なので、初心者向けのルール解説は載っていません。

将棋をゼロから勉強したいという人は、より易しい初心者向けの本がありますので、そちらを先に終わらせるのをおすすめします。

まとめ

『1手詰将棋』は、1手詰の基礎が身についた人が次に取り組む問題集としておすすめの一冊です。

実戦で出てきそうな形が多いので、一冊こなしてからライバルと対局すると、終盤の切れ味が上がったのを実感できるでしょう!

詰みを逃してしまいがちな上級者の方も、ぜひ手にとってみてください。

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