子供向けの詰将棋問題集『どんどん強くなるこども詰め将棋 3手詰め』を紹介します。
「どんどん強くなる」シリーズならではの読みやすさと、簡単な問題からステップアップしていく楽しさを兼ね備えた、3手詰めの入門としてぴったりの一冊です。
簡単な並べ詰めからスタート!無理なくステップアップできる
3手詰めに初めて取り組む人がぶつかる大きな壁が、急激な難易度の上昇です。
1手詰めからたった2手増えただけなのに、途端に読む量が増えたり「駒を捨てる」という高等テクニックが出てきたりで、すぐに挫折してしまう人も少なくありません。
その点「どんどん強くなる」シリーズはとても丁寧な作りになっています。
最初に出てくるのは、下のような易しい「並べ詰め」。持ち駒や盤上の駒を自然に使っていけば詰むので、初心者でも無理なく取り組めます。
「3手詰め、けっこうできるかも!」と自信が付いたところで、いよいよ捨て駒のある問題に挑戦。
以下のような問題で、「逃げ道封鎖」「危険地帯に誘へ」の手筋を学ぶことができます。
これでも難しい!と感じる人がいるかもしれませんが、本書では簡単な問題をたくさん解いて慣れたところで発展型の問題をやってみる、という流れが徹底されているので、頭から読んでいけば必ずできるようになりますよ。
問題にヒントがある親切設計。初心者のことを考えた一冊
「逃げ道封鎖」「危険地帯に誘え」の手筋があることはわかっても、実際の問題でどの手筋を使えばいいのか判断できるかはまた別物。
ノーヒントで問題を解き続けても、時間ばかりかかったり、そもそもサッパリ解けなかったりで自信を失いかねません。
しかし、そんなつまずきポイントもちゃんとケアしてくれるのが「どんどん強くなる」シリーズのいいところ。
「これは開き王手!」「角のラインを活用しよう!」など、問題へのヒントを惜しみなく出してくれます。
3手詰め初心者には、ヒントが多すぎるくらいでちょうどいいでしょう。何も手がかりがないと、3手詰めは思ったより難しいものです。
逆に「この本はヒントが多すぎる!」と感じた人は、より難しい詰将棋本に取り組んでしまって良いと思います。
実戦も意識した「駒を取る」問題もしっかり掲載!
本書のもうひとつのポイントは、「駒を取って詰ます」詰将棋がたくさん載っていることです。
たとえば以下のような問題ですね。
これは詰将棋本としては珍しいことで、多くの詰将棋本はパズルとしての美しさを重視するあまり、駒を捨てる問題に偏ってしまっているんです。
しかし実際の対局では、相手玉の金や銀を取って詰ませる展開になることがほとんど。パズル的な詰将棋ばかりやっていても、正直あまり役に立ちません。
ですので、本書は極めて実践的な、将棋に勝つのに役立つ詰将棋本と言えるでしょう!
まとめ:3手詰め初心者がまず取り組む本として最適
『どんどん強くなるこども詰将棋 3手詰め』は、子供はもちろんのこと、これから3手詰めを勉強しようという大人の方にもおすすめできる一冊です。
特にほかの本よりも実践的な問題が多いので、実際の対局にも大いに役立つでしょう。
実戦で3手詰めが読めるようになれば、初心者卒業レベルも近いです。1手詰めが身についたら次はこの本に取り組んでみてください!
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