子供向けの詰将棋問題集『どんどん強くなるこども詰め将棋 5手詰め』を紹介します。
読みやすさと本格派な問題を兼ね備えた「どんどん強くなる」シリーズの5手詰め版。このレベルになると、ネット将棋で初段を目指す大人にも十分おすすめできるレベルです!
5手詰も基本は「並べ詰め」から! 難問まで無理なくステップアップできる
5手詰めは3手詰めに比べて読む量が飛躍的に増えるので、いきなり複雑な問題を出されると挫折してしまいます。最初はとにかく簡単な問題から慣れていくのが大事です。
本書も「どんどん強くなる」シリーズの例にもれず、最初は駒をべたべたと打って詰ます「並べ詰め」から始まります。例えば以下のような問題です。
こうした易しい問題からスタートして「5手詰めも意外とできそうだな!」と思わせてくれるのが本書のいいところ!
収録されたおよそ100問を通して次第にレベルアップしていき、最後は「打ち歩詰め回避の飛車不成」のような高等テクニックが必要とされる問題まで出てきます。
パズル的な美しさより、実戦で使える手筋を重視した内容がうれしい
本書の隠れた長所は、「盤上の駒を取って詰ます」問題が多く収録されているところです。
例えば、以下の問題がそれにあたります。
3手詰めや5手詰めといった短手数の詰将棋では、相手の駒を取る手が出てくるのはあまりいい問題とされないことが多いです。
しかし実際の将棋では、エレガントな捨て駒よりも、相手の駒を取って詰ます筋のほうがよく出てくるんですよね。パズル的な美しい詰将棋ばかり解いていると、かえって簡単な詰みが見えなくなるなんていう副作用もあります。
その点、本書は並べ詰めや駒を取って詰ます問題など、実戦で役立つ問題が多いのが素晴らしいと感じました。
まさに「どんどん強くなる」という名前に違わない内容と言えるでしょう!
まとめ:この本がスラスラ解ければ詰将棋は一旦卒業でOK!
実戦で5手詰めを見逃さないようになれば、初段を狙える実力は十分にあります。
詰将棋で終盤の力を鍛えたいと考えている人は、まず本書がスラスラ解けるようになるのをゴールとして取り組んでみましょう。
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