藤井聡太三冠の名を冠する詰将棋問題集『藤井聡太推薦!将棋が強くなる基本3手詰』を紹介します。
難しめの問題が揃った3手詰めの一冊で、歯ごたえのある問題集を探している人にはぴったりの本です。ただ初心者が手を出すには難しすぎるかもしれません。
問題の難易度はやや高め。簡単な3手詰めがすでに解ける人向けの一冊
『藤井聡太推薦!将棋が強くなる基本3手詰』に収録されている問題は、初心者向けの問題集に比べてやや難しめに設定されています。
持ち駒を打っていくだけで詰む問題はあまりなく、以下のようなタダで取られる場所に駒を放り込む「捨て駒」の手筋を使う問題が多いです。
正解を見つけるためにかなり頭を使いますが、解けたときの爽快感は高いですね。
もう初心者向けの3手詰めはひと目で解けるようになってしまった人や、解きごたえのある問題を探している人にはおすすめできる一冊です。
この本の問題が簡単に感じるようになったら、3手詰は卒業と言っても問題ないでしょう。
3手詰のプロセスを詳しく解説しているが、やや読みにくい
シリーズの前著『藤井聡太推薦!将棋が強くなる実戦1手詰』と同様に、本書も「詰将棋を解くプロセス」について丁寧に解説してくれています。
「守備駒がなかったらと考える」「相手の駒を取る」など、問題のパターン別に説明する構成もわかりやすいです。
しかし、例題に正解の局面が載っていないことがあり、初心者には説明がややわかりにくいと感じます。詰将棋をある程度解いたことのある人でないと、理解は難しいでしょう。
3手詰めにこれから挑戦してみようという人は、ほかの本を選んだほうがよいと思います。
藤井聡太三冠は「推薦」のみ。問題を作ってはないので注意
「藤井聡太」という名前に引かれて本書を手にとってみた人がいるかもしれませんが、詰将棋を作っているのは別の人で、藤井三冠ではありません。
藤井三冠は表紙に推薦コメントを寄せているだけですので、勘違いしてがっかりしないように注意してください。
まとめ:初段に必要な終盤力が身につく一冊!
『藤井聡太推薦!将棋が強くなる基本3手詰』は、ほかの問題集で3手詰をある程度解いたあとにチャレンジするのがちょうどいい難易度の本です。
この本に掲載されている問題がひと目で解けるようになれば、実戦でも詰みを見逃すことがかなり減るはずです。終盤力だけなら初段に近い棋力が身につくでしょう。
やわらかい印象の表紙と違ってイラストなどはなく、硬派な内容で大人向けです。うっかり初心者の子供さん向けに買ったりしないように気をつけましょう。
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